タス(TUSS)工法Tied-Up Soil System 国土交通省 新技術情報提供システム「NETIS」<登録番号QS-980159>

山々が多く平野が少ない我が国においては、自然と開発の調和が建設技術の重要な テーマになっております。
補強土工法・タス協会は土を素材とし、構造物をつくる自然にやさしい 画期的技術を駆使し、社会のニーズに対応した省資源と安全性を考慮した活用を目指しています。

ごあいさつ   推薦の辞
三木会長 補強土工法・タス協会 会長
東京大学名誉教授
工学博士
三木 五三郎
  米倉教授 東洋大学教授
工学博士
米倉 亮三
土を鉛直に盛り上げるのに、コンクリートパネルで表面付近の土がこぼれ落ちるのを防ぎながら、 そのパネルを順次積み上げるという巧みな工法がある。パネルが土圧で押し出されるのに抵抗するには、パネルの裏側に連結した引っ張り材を盛土上に敷設して、 これをその上に盛り上げた土の力で押さえ込むのである。
タス工法はまさにこの原理による補強土工法であるが、日本の現場を考えて、盛土材として現地発生材の 粘性土でも利用できるようにしているのが最大の特長である。
パネルと引張り材の連結には、盛土の圧縮に追随できるスライドジョイントを利用する。
この工夫により、現在までの最高壁高の実績は17.5mとなっている。
施工経験を重ねる中で、壁面に既製のコンクリートパネルを次々と利用する組立方式のうまみを活かして、 施工性の良さと早さを徹底的に追求してきた。化粧パネルを用いた現場は、都市のみならず野外でも景観の 向上に大いに役立っている。効率が良くて環境に優しい鉛直盛土工法が待望されている現在、タス工法は 今後ますます各方面でお役に立てるものと確信している。
  土木構造物は、一般に剛性構造物が多いのであるが、補強土はたわみ性構造物最も典型的なものである。
補強土の基本的な考え方は、我が国でも古くから用いられてきた原理であって、土壁を構成する粘土の中に 藁くずを入れて補強したり、軟弱地盤に盛り土をするときにムシロを敷いてから盛り土をする等の方法が、 経験的に採用されてきていた。
タス工法は、これらの原理をさらに科学的に体系づけたものであって、土を構造物の材料として最大限に活用しようとしたものである。
したがって、土の持っている弱点をカバーして、それを有効な材料とするための工夫が随所になされている。
比較的良い土なら支圧アンカーを、少し悪い土なら鉄筋グリッドを使用する等、あらゆる現場状況に対応できる方法が提案されており、 また設計方法についても、土と構造体によって、より的確に対応できる手法が提供されていて、十分信頼に応えられる ようになっている。
したがって、現存する補強土擁壁の中で、タス工法による擁壁は、現場環境に合わせて、安全・高品質で かつ経済的な擁壁構造物を自在に計画できる唯一のものであるということができるのではなかろうか。
このようなタス工法の本質的な特徴が十分理解されて、各所で活用されることを願っている。